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【ECCUBE4系】CSV登録画面初期表示で、twigマスタテーブルの値を表示させる

今日もtwigのお話を書いていこうと思います。

※今日は、大好きなEventSubscriberの出番はありません※

前置き

例えば、商品CSV登録画面の「公開ステータス(ID)」は、messages.ja.yamlが空文字になっているので、説明欄には何も出力されていないですよね?
商品の公開ステータスは、mtb_product_statusはデフォルトの状態で3レコードしかないので、messages.ja.yamlに直接記載する方法でもそんなに手間ではないかもしれません。

ですが、これが
「mtb_pref(都道府県のマスタテーブル)のIDと名称を全部出力してください。」
なんて依頼が来ると、47レコード分をmessages.ja.yamlに記載するのは正直手間だなー。。。と思ってしまいました。

そこで、テーブルからidとnameを抜き出して、文字列化するServiceを作ったので、そのご紹介になります。
テーブル構造によっては、mtbでもdtbでも使えるので、試してみてください。

 

前提条件

  • primary keyがIDであること
  • 出力する値のカラム名がnameであること

 

Serviceを作成する

まずは、Serviceを作っていきましょう。

<?php

namespace Customize\Service;

class CsvViewDiscriptionService
{
    /**
     * CSV登録画面でマスターデータから選択肢を表示させる文字列を返却
     * 例)1:北海道 2:青森県 3:岩手県
     *
     * @param array $data
     * @return string|null
     */
    public function getDiscriptionTextData(array $data)
    {
        $text = null;
        foreach ($data as $key => $datum) {
            if ($key !== 0 && $key % 5 === 0) {
                $text .= '<br>';
            }
            $text .= $datum->getId() . ':' . $datum->getName() . ' ';
        }

        return $text;
    }
}

ServiceはこれだけでOKです。
引数をforeachで回して、文字列に変換しているだけですね!

 

Controllerで呼び出す

次にControllerの方で、このServiceを呼び出してみましょう。
必要箇所のみ抜粋して記載してみます。

trans('admin.product.product_csv.display_status_col') => [
    'id' => 'status',
    'description' => 'admin.product.product_csv.select_id_description',
    'required' => true,
    'data' => $this->csvViewDiscriptionService->getDiscriptionTextData($this->productStatusRepository->findAll())
],

今回は商品ステータスを出力させたいので、productStatusRepositoryから全件取得を行なっています。
もちろん、ここは条件付きでも問題ありません。
要は、twigで描画したいレコードが取得できれば良いのです。

 

twig側の修正

<div id="ex-csv_product-format" class="card-body">
    <table class="table table-striped table-bordered">
        <tbody>
        {% for header, key in headers %}
            <tr>
                <th class="w-25 align-middle table-ec-lightGray" id="file_format_box__header--{{ loop.index }}">{{ header }}
                    {% if key.required %}
                        <span class="badge badge-primary ml-1">{{ 'admin.common.required'|trans }}</span>
                    {% endif %}
                </th>
                <td class="align-middle">
                    {% if key.description %}
                        {{ key.description|trans|raw }}
                    {% endif %}
                </td>
            </tr>
        {% endfor %}
        </tbody>
    </table>
</div>

こうなっている箇所を

<div id="ex-csv_product-format" class="card-body">
  <table class="table table-striped table-bordered">
    <tbody>
    {% for header, key in headers %}
      <tr>
        <th class="w-25 align-middle table-ec-lightGray"
            id="file_format_box__header--{{ loop.index }}">{{ header }}
          {% if key.required %}
            <span class="badge badge-primary ml-1">{{ 'admin.common.required'|trans }}</span>
          {% endif %}
        </th>
        <td class="align-middle">
          {% if key.description %}
            {{ key.description|trans|raw }}
          {% endif %}
          {% if key.data is defined %}
            <hr>{{ key.data | raw }}
          {% endif %}
        </td>
      </tr>
    {% endfor %}
    </tbody>
  </table>
</div>

こんな感じで修正します。

discriptionを出力している箇所に

{% if key.data is defined %}
  <hr>{{ key.data | raw }}
{% endif %}

が追加されただけですね。

動作確認

最後に動作確認をしてみましょう。

商品ステータス(ID)の箇所が以下のように出力されていると思います。

1:公開 2:非公開 3:廃止

これで、テーブルから取得してきた値をtwigにStringで渡すServiceの完成です、とっても簡単ですね!

 

最後に

前提条件で、「primary keyがIDであること」と「出力する値のカラム名がnameであること」と記載しましたが、自由にカスタマイズ可能だと思います。
(文章があまり上手くないので、説明しやすくしたかったのです)

こんなServiceを1つ作っておくだけで、簡単に管理画面のCSV登録画面での文言出力が簡単になります。
この機会に、CSV登録画面にテーブルの値を出力してユーザービリティーを向上させてみませんか?

【ECCUBE4系】フロント側の全twigで参照できる変数を作る

こんにちわ。
今回はtwigの変数についての投稿です。

twigで値を参照したい場合、通常であればControllerで値を取得し、returnしてtwigに渡しますよね?
でも、sessionやcookieに格納している値を全画面で利用したいなーと思うと、全画面のControllerとtwigの修正を行うとなると、それなりの工数がかかりますよね。

例えば、Customerがログインを行なった場合、認証が通った後で会員の今までに購入した金額によって

  • 今までの購入金額が1万円未満の場合は、Aグループに所属するCustomer
  • 今までの購入金額が5万円未満の場合は、Bグループに所属するCustomer
  • 上記以外の場合は、Cグループに所属するCustomer

と言った具合で条件を設定し、それでtwig側で出力する文言を変更したいです!なんて要望があった場合、数箇所であればControllerから値を渡すでもいいと思いますが、フロント側全体で文言の出しわけをして欲しいという要望があると、twigの修正は仕方ないですが、Controllerも併せて全修正するのは大変です。

そこで、今回も出てきます、EventSubscriberです!
みんな大好き、EventSubscriberです!

 

ログイン時の処理を作成する

今回は一例で紹介させて頂きますので、詳しいコードは割愛します。

ご担当の案件の要望に合わせて、customer_groupをキーにsessionにお好みの値を保持してください。

 

twigで参照する変数を作る

ここからが今日の本題です。

まずは、以下のようなコードをapp/Customize/EventListener配下に作成してみましょう。

 

<?php

namespace Customize\EventListener;

use Eccube\Request\Context;
use Symfony\Component\EventDispatcher\EventSubscriberInterface;
use Symfony\Component\HttpKernel\Event\GetResponseEvent;
use Symfony\Component\HttpKernel\KernelEvents;
use Twig\Environment;

class TwigInitializeListener implements EventSubscriberInterface
{
    /**
     * @var bool 初期化済かどうか.
     */
    protected $initialized = false;

    /**
     * @var Environment
     */
    protected $twig;

    /**
     * @var Context
     */
    protected $requestContext;

    /**
     * TwigInitializeListener constructor.
     *
     * @param Environment $twig
     * @param Context $context
     */
    public function __construct(
        Environment $twig,
        Context $context
    ) {
        $this->twig = $twig;
        $this->requestContext = $context;
       
    }

    public function onKernelRequest(GetResponseEvent $event)
    {
        if ($this->initialized) {
            return;
        }
        if ($this->requestContext->isFront()) {
            $this->addGlobal($event);
        }

        $this->initialized = true;
    }

    public function addGlobal(GetResponseEvent $event)
    {
        $customerGroup = $event->getRequest()->get('customer_group');

        $this->twig->addGlobal('customerGroup', $customerGroup);
    }

    /**
     * {@inheritdoc}
     */
    public static function getSubscribedEvents()
    {
        return [
            KernelEvents::REQUEST => [
                ['onKernelRequest', 7],
            ],
        ];
    }
}

これで、twigから参照する処理は記載できました。
今回は、TwigInitiializeListenerで認証処理が完了した後に実行したかったので、Priorityは7に設定してあります。

 

twig側で参照する

ここまでできたら、あとはtwig側に処理を書くだけです。

{% if customerGroup == 'A' %}
    <div>
                <p>今月末までに1万円以上買っていただけると、お得意様になります。</p>
    </div>
{% elseif customerGroup == 'B' %}
        <div>
                <p>今月末までに5万円以上買っていただけると、超お得意様になります。</p>
        </div>
{% else %}
        <div>
                <p>あなたは現在、超お得意様になります。</p>
        </div>
{% endif %}

これで、全twigでcustomerGroupが参照できるようになっているはずです。
もちろん、Controllerが用意されていない静的ページからでも参照できます。

EventSubscriber便利ですね!
みんな大好き、EventSubscriberです!!!(2回目)

twigに渡す変数、各Controllerから渡す前に、EventSubscriberで使い回す道を検討してみませんか?

Requestのお供に、EventSubscriberをぜひよろしくお願い致します。

【ECCUBE4系】ボタンで表示言語を選択できるようにする

先日shopifyでサイトを多言語化する方法をご紹介させて頂きました。
本日は、ECCUBE4系で多言語化対応を行う際に、ボタンで言語を切り替えられるように実装してみたのでご紹介します。

まずはControllerの作成

<?php

namespace Customize\Controller;

use Symfony\Bundle\FrameworkBundle\Controller\AbstractController;
use Sensio\Bundle\FrameworkExtraBundle\Configuration\Template;
use Symfony\Component\HttpFoundation\RedirectResponse;
use Symfony\Component\Routing\Annotation\Route;
use Symfony\Component\HttpFoundation\Request;

class LanguageController extends AbstractController
{
    /**
    * @Route("change/language", name="language_change")
    */
    public function changeLanguage(Request $request)
    {
        $session = $request->getSession();
        $session->set('language', $request->query->get('language'));

        return $this->redirect(言語選択後に表示したいページ);
    }
}

これでボタンを押したときに、セッションに選択した言語情報を保持出来るようにしました。

 

header.twigに言語切り替えボタンを出力

{% if app.session.get('language') == 'ja" %}
  <ul>
    <li><a href="{{ url('language_change', {'language': 'en'}) }}">{{ 'English'|trans }}</a></li>
  </ul>
{% else %}
  <ul>
    <li><a href="{{ url('language_change', {'language': 'ja'}) }}">{{ '日本語'|trans }}</a></li>
  </ul>
{% endif %}

選択済みの言語によって、出力されるボタンが動的に変わるようにしました。
(初期値は、.envのECCUBE_LOCALEに設定されている値なので、「English」のボタンが初期値で出力されます)

EventSubscriberを作成する

ここが一番大好きな作業です!
みんな大好き、EventSubscriberです!

<?php 
namespace Customize\EventSubscriber; 

use Symfony\Component\DependencyInjection\ContainerInterface; 
use Symfony\Component\EventDispatcher\EventSubscriberInterface; 
use Symfony\Component\HttpKernel\Event\GetResponseEvent; 
use Symfony\Component\HttpKernel\KernelEvents; 

class LanguageSubscriber implements EventSubscriberInterface 
{ 
    /**
     * @var ContainerInterface
     */ private $container;

    /**
      * LanguageSubscriber constructor. 
       * 
       * @param ContainerInterface $container 
       */ 
       public function __construct(ContainerInterface $container)
      { 
                 $this->container = $container;
    }

    /**
     * @return array
     */
    public static function getSubscribedEvents()
    {
        return [
            KernelEvents::REQUEST => [['onKernelRequest', 18]],
        ];
    }

    public function onKernelRequest(GetResponseEvent $event)
    {
        $request = $event->getRequest();

        $request->setLocale($request->getSession()->get('language', env('ECCUBE_LOCALE')));
    }
}

これで出来上がりです!
なんて簡単なんでしょう、EventSubscriber最高ですね!

最後に補足説明

ちなみに、KernelEvents::REQUESTで、2番目に指定している「18」ですが、これはSymfonyのPriority(優先順位)の指定になります。
ECCUBEもローカルで開発してる時なんかは、デバッグモードにしていると思いますが、デバッグバーをポチッとするとSymfonyの画面に遷移しますよね?

左のメニューバーから「Events」を選択すると、Event Dispatcherが確認できるので、
“Symfony\Component\HttpKernel\EventListener\LocaleListener::onKernelRequest()”
のPriorityが幾つになっているか確認して、LocaleListener::onKernelRequest()よりも優先順位を決めてあげるのが良さそうです。

優先順位まで指定できるなんて、EventSubscriber最高ですね!(2回目)
EventSubscriberが大好きすぎて、いろんな処理を割り込ませたくなりますが、他の処理を割り込ませた話は、またの機会に投稿しようと思います。

messages.XX.yamlやvalidators.XX.yamlの作成を忘れずに行ってくださいね!

Requestのお供に、EventSubscriberをぜひよろしくお願い致します。